秋T・ABP感想

こんにちは。青木に秋TとABPの感想を書くと宣言をしておいて1か月書いていなかったミス不誠実こと平澤です。皆様が梅子とHKDOで輝かしい活躍をなさっているときに今更感が半端ないかもしれませんが、時系列に沿ってがんばって書いたので読んでください。

UTの女帝兼マスコットでお馴染みのぴら様

①プレパって大事だね編(秋T前~秋T)

秋T前の練習と秋Tを通じて一番強く感じたのは「プレパが全てを決める」、まさにこれです。耳にたこができるほど聞かされた言葉かもしれませんが、これは本当にそうです。私たちのチームはプレパで相当苦労をしたのでプレパを中心に私たちの戦いの記録を書いてみたいと思います。

~暗黒期~

私は二井谷とチームを組むのはpre-australsが初めてで、一年のころは練習ですら組んだことはほとんどありませんでした。Pre-australsは加藤さんが中心となってプレパが進んでいたということもあり、本格的に二人で練習を始めたのは7月でした。お互い議論を積極的に進めていくタイプではなかったのでプレパが進まず結局first speakerが自分で立論をする、という事態が何度も起こりました。「う~んどうなんだろうね~」「opp何言ってくるんだろう」と呑気にやっている間にあっという間に15分が過ぎ、openingでは二井谷が一人で頑張るか、closingで私がプレパで出た分析をばら撒いて帰るというお世辞にもいいとは言えないチームだったと思います。

どちらもはっきり物を言わない、事なかれ主義な性格が裏目に出たのか、このような非効率的なプレパは8月下旬まで続きました。この時期のパフォーマンスは本当に悲惨で、本郷練や自主練では連続で4位を連発し、毎日涙目でとぼとぼ家に帰っていた気がします。

真剣なまなざしのお二人。この時期はペアで見ない日の方が珍しかった。

~希望の光~

あまりにも景気が悪かったので、自主練の帰りに後楽園のジョナサンズで4時間近くにわたり加藤さんに相談に乗っていただき、その日からラウンドをただこなすだけでなくプレパをどう効率的に使うか考えるのに時間を割くようにしました。

試行錯誤の結果、意識するようにしたのは以下の三つです。❶motionの言葉の具体化➋「落ち」ベースで考えること。❸「落ち」の具体化❹キャラクターの統一

Motionの単語というのは必ずしも意味が明解なものばかりではありませんから、お互いが想定している対象が異なるという場合があります。例えば、Hate speechと一口にいっても、religionに対するhate speechなのか、holocaust denial の話しなのか、それともrace

についてなのかで話は変わってきます。そこでお互いの頭の中が分からない状況でプレパが進むとスピーチ自体の質も下がります。プレパの会話で出た話がスピーチでは使われるわけですから、プレパの会話が抽象的だと当然スピーチも抽象的になるからです。私と二井谷はブレストの前に必ずmotionの単語から何を連想するか想定しているか確認し合うようにしました。➋私たちの問題点として(特に私個人がいまだに抱えている問題として)ideaベースに考えてしまうということがありました。Idea はあくまでデイベートに勝つための手段であって目的ではないため、Idea主体で考えることほど良くないことはありません。サイドとして何をすべての立論の「落ち」にしたいのか、というのをまず共有してから議論を進めるようにしました。❸「落ち」と一口に言っても様々なものがあります。People`s happiness というのもゴールですし、sense of securityというのも一つの落ちです。しかし、「落ち」が抽象的で壮大なものであればあるほど証明責任が重くなります。相手サイドもhappinesssecurityを守りにくるわけですから。「落ち」をもう一段階具体化して、たとえば単なるsolving discrimination ではなくfacilitating sense of cohesion(物質的な差別ではなく内面的な差別の解決)とすることで、証明責任がぐんと軽くなります。なのでゴールをとにかく具体的にし相手と異なるものにすることを意識しました。❹チームとして強くあるためにはconsistencyが命です。モーションによって変わるのは結局人(たまに国)なのですから、全ての議論の根幹にあるのはキャラクターです。そのキャラクターが微妙に二人のスピーカーで異なれば議論自体の統一感もなくなります。なので、ブレストが終わってゴールを共有した後は立論の前に必ず「誰が変化するの?」「どういった人/国を想定しているの?」という質問に答えるようにしていました。

~夜明け~

加藤さんにジョナサンズで注意されてからはひたすら❶~❹を意識して毎回ラウンドに臨み、ラウンドが終わるたびに一二時間かけてプレパに関する反省会をするようにしました。もちろん急にうまくなるなんていう魔法のような話はなく、相変わらず平均3.5位くらいを維持し続けましたが一時期よりは大分まともになっていたのは確かです。秋T一週間前に2回連続で4位をとり萎えましたが翌日から2位→2位→2位→1位→3位→3位となんとなく調子があがっていきました。

わりかしリラックスするにいぴら。佐野さんも苦笑いw

~そして朝がやってきた~

前日に3位をとって迎えた秋T本番ですが、一ラウンド目でextensionがなく私が大爆発し二井谷のbrilliant whipでなんとか2位を獲得。このラウンドでは二井谷と5点差ついてましたね涙。二ラウンド目はOGでなんとかprincipleを立ててそれが最後まで残り1位。Minorityから利益を得ているのだから支払をするべきというprincipleにすべて議論を落とすようにしたのでチームワークはうまくいったと思います。三ラウンド目は二人ともリサーチをしたことのあるお題だったのでドヤ顔でエクステンションをだし1位。生まれて

初めてマターブックというものを使いました。四ラウンド目はオポでメインハームがなかなか定まらずひたすら下ネタを連発し3位。ガバベンチは全員男だったので負けたのは悔しいです。

翌日はぎりぎりpre-quarterを免除される順位でブレイク。Quarter-finalは二井谷の深い人間心理の分析によりエクステンションが決まり勝ち上がる。Semi-finalogに想定していたケースをすべて言われて私は大爆発しました。井戸さんにも「まだ二年なんだから次があるさ」と慰められコーラを自棄飲みしていると何故か2位という結果。どうやら二井谷がwhipで相手の議論を消しまくっていたようなのです。ありがとう二井谷。Grand-finalはコーラによる尿意と戦いながらのプレパでしたが思いつく限りの分析をだし頑張りました。しかし、やはりcitizenship deprivationがなぜproportional punishmentなのか証明できず負け。私たちの秋Tに向けた戦いは幕を閉じました。平均順位3.5位だった時代を思うと奇跡としか思えない結果でした。

おめー!!

②プレパ大事だけどそれだけじゃだめだね編(秋T後~ABP)

~休戦~

grand-final進出という予想だにしない結果に喜び、喜びを通り越して呆然としていると実はABPまで2週間しかないことが発覚。しばらくはぼけっと過ごしていましたが途中で焦りはじめ練習を再開。秋T前ほど練習会が頻繁に開かれなくなったので二井谷とオープニングのプレパをしたり音源を聞いて私がメンバースピーチをする、といった練習をしていました。

~つ、つれえ~

つるとんたんで美味しいうどんを食べてからいざ中国へ。ホテルの綺麗さとマクドナルドのマフィンの小ささにただただ驚きました。そんな感動も束の間、大会スタート。ラウンドごとの詳しい感想は戸塚先生がFBに挙げてたものに書いてあるので省きますが、ざっくりまとめると1日目2日目まではわりとうまくいっていたのです。5ラウンド終了時点で9点とり、これならブレイクもなくはない、とドキドキしながら眠りにつきました。しかし、最終日のスコアは5点とふるわずメインブレイクの夢は叶わず私たちの夏休みは終わりました。

とりあえずテンションが高い平澤

~日はまた昇る~

ABPでブレイク落ちしたのは何故なんでしょう。当然大会のレベルが自分にそぐわないほど高かった、ということはあります。しかし、手の届かない、本当に歯が立たないレベルであったか、というとそれは少し違います。ABPで順位の低かったラウンドというのを振り返ってみると、全て「相手が勝った」というよりも「相手が負けなかった」という印象が

あります。モーションの取り違えであったりキャラクターの共有が甘かったりリバッタルを落としたりエクステンションにプリンシプルをつけるのを忘れたりといった本当に些細で初歩的な間違い積み重なってポロポロと点数を落としてしまいました。だからABPの結果についてはかなり悔しいです。

では運が悪かったから、調子が悪かったから負けたのでしょうか。もう少し中国の空気がきれいで頭が働いていたら、普段の力を発揮していたら勝てたのでしょうか。それはまた違います。ミスをしない、というのは簡単そうに見えてとても難しいことだというのがABPに行って一番強く感じたことです。15分しかないプレパの中で自分たちの持っている知識と技術、クッキーカッターを100%活用することは至難の業です。逆にいえばどんなモーションが来てもミスをせずに自分の引き出しを使い切ることができるチームというのが常に勝てるチームでありブレイクするチームなのだな、と感じました。引き出しの多さももちろん重要ですが、引き出しの差よりも引き出しを活用しきる力の差が、ブレイクできるチームとできないチームの決定的な違いであると思います。

それに加えて痛感したのが自分の英語力のなさです。帰国でESLなのにこんなことを言うのは情けないのですが、ブレイクラウンドのスピーチを聞きながらただただ感じたのは「英語うめえなあ」ということです。モーションを見て自分が思い付いたのと同じ議論をしているのですが、説得力がまったく違う、見せ方が上手。ideaよりも表現力に大きな差を感じました。

頭一つ抜けてテンションの高い幸松氏
 
③最後に

NEAOとワールズに行く身として、ABPの経験を踏まえて:英語上手くならなきゃ!とミスをしないようにしよう!を練習目標として頑張っていこうと思います。もちろん知識も足りなければ証明責任がすぐにわからない(マクロがない、というやつです)、またアイディアも足りないなど問題をあげだしたらきりがないです。しかし、やはりABPに行った後以前よりも練習するようになったのはこの二つです。夏休みのように馬鹿みたいに練習することはできませんがだからこそ一つひとつの練習を大事にしていこうと思います。
最後に、二か月間毎日一緒に練習し私を引っ張り続けてくれた二井谷と、相談に何時間ものり練習に付き合って下さった加藤さん、本当にありがとうございました。

どことなく似た雰囲気の部長・副部長コンビでしたね。

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