会長からのお言葉 其の弐

さて、その二か月ほど僕は何をしていたのかというと、法学部試験をやっていました。それのついでにモーションを考えていました。ここでモーションを作るということに関して考えてみたいと思います。

谷吉先輩とテスト勉強に勤しむ会長。
モーション作成っていったいなんなんでしょう。銀杏杯で大失敗したこともあり、(ban having turtles 茶髪より黒髪の方がいいなどしか思いつかなかったトラウマの銀杏杯)モーション作成について相当の不安と問題意識を抱えてザ関西を迎えました。その後結構悩みに悩んだ結果、今回割ともう自信満々のモーションを作ることが出来るようになったので、自分なりにモーションの作り方についてここにまとめておきたいと思います。(注意:以下の全記述、というか今回のブログの全記述は全て得永個人の見解であり、AC見解ともザ関西という大会とも内山神とも全く関係がありません。というか、寂しいことに全く逆かもしれません;;せっかく一緒にACやったのに;;)

人によっても違うでしょうし、色々な方法があると思います。なので、ここにある方法だけではないと思いますが、まあ参考程度にはなると思います。

    自分の専門分野から出す
 割と当たり前のことなのですが、多分これがまずモーション作りの基本なのではないかな、と思います。専門と言っても、僕は対して勉強をしてないのでたいしたことはないのですが、まあ一応大学の授業は受けている訳です。となれば自然と他学部の人よりは一応詳しい分野も出てくるでしょうし、学部の勉強の中で自然と問題意識は出てくるでしょう。興味のあることとか、なんとか。一番に、やっぱり生かせない勉強はもったいないですし、生かせないディベートも時間の無駄だと思います。ディベートも、自分の持っている知識の枠組み、思考法、切り口がおのおののディベーターに反映しているからこそ、入部の時にはきっと目指していたであろう、論理的思考能力やプレゼン能力などの発展につながるのではないでしょうか。ディベートのためのディベートではなく、世の中にある問題解決の能力を競うのがディベートであるのならば、自分の専門分野に存在しているたくさんの問題に関しても実社会とのかかわりが分からなければ、それは無意味ではないでしょうか。あと、リサーチが楽なのも自分の勉強している分野から出すメリットです。あと、何より、勉強もディベートも楽しくなります。この方法に関してはデメリットは簡単には見当たりません。

 今回のザ関西では法学部は僕しかいなかったので、CJSは頑張って作ってやろうという強い意思はありました。(もちろん佐野さんや大川さん、石井などに突っ込まれる恐怖もありましたが、最悪本郷に近づかなければ避けきれる敵だと考え、あえてリスクを取ってやりました。)なので、テスト範囲が憲法刑法民法国際法だったということもあり、憲法と刑法と国際法の勉強をしている時には、なんかモーションになりそうな話ないかなー、とテスト勉強をそっちのけていましたw
 
CJSと言えば……。
 例えばR3は、普通にへー同意傷害までは罰されないのに同意殺人は罰されるんだーっていう話からモーションを考えたのですが、うまく行かず、結局憲法の方の喫煙権判決、なんか囚人にタバコ吸う権利があるかないかみたいな話、で安楽死とかやったら面白いんじゃね?と思って適当にググって出したのがR3の真ん中の奴です。R3の一番下は、「囚人」でEconomistを検索!したらギリシャの刑務所がもう全く機能してなくて地元の人が食事とか提供してるっぽかったんで作ってみました。あ、囚人三部作を作ったら内山さん採用してくれるかな(チラッチラッ、と思ったので囚人モーション考えてたので、Economistprisonerで検索したのです。ちなみに、もう一個は没になりました。残念。

 ちなみに実際にモーションを作ったのは、僕は1日で全部作ったのですが、てか3時間くらいネットサーフィンして適当に10個作ったのですが、一応出そうと思うテーマはやっぱりテスト期間中にメモっときました。何故なら僕はその間しか勉強しないので、頭がいい期間がそこしかなかったからです。ハイ。と思ったけど、結局この時期出そうと思ってたので残ったのは信教の自由くらいで、結局(2)の作り方がほとんどだったのかなあ、と今にしてみると思います。

 まあただ、ICJ絡めたモーションの時と、環境被害で攻め込むモーションの時には必死で国際法の教科書と、国際条約集をぱらぱらとめくって、クレームにおびえてたので、やっぱり自分が勉強したところを出したいというのは人情だと思います。

 この方法は非常に有用で、例えば内山さんは実はゴッドファーザーとかが大好きだということがモーション会議で分かりましたね。内山さんは多分ゴッドファーザーと仁義なき戦いからR1のモーションを作ったと思いますwたのっぱも経済学部っぽく、あの農地分配の奴はあいつの趣味からだろうし、葉ちゃんの共通言語作るっていうモーションも、多分(1)の方法で出来たのではないかなと思います。ちなみに内山さんは、Vatican Bankのモーションは絶対に出そう!と押しまくっていましたwやっぱり好きな物というのは何かに役立つものですね、ハイ。ただ、筒井康隆はモーションにすることが出来なかったので、これは今後の課題かもしれません。

        ニュースを見て出したろかな、と思う。
 これはやっぱり一番ACになると使っちゃいますね。例えば、どうせEconomistとかからモーション出すと喜ぶ一部のリサーチ勢がいるじゃないですか、だから結構あの辺は、一つも僕は真面目に今回のザ関西においては読まなかったですけど、さっきのprisonerみたいに出したいものがはっきりしているのにアイデアが湧かない時には、検索だけして適当に拾い読みして、それをリフレクでドヤ顔で言いましたw(「やっぱねー、コンテクストはこの場合ギリシャなんだよねー」(自分が作ったモーションじゃない限り永遠に僕が知ることのなかったコンテキスト)(WADの三尾の所とHit-uの舞ちゃんリスペクトチーム、自己満リフレクでごめん;;)

 テーマ関西が出したくて、必死で関西ニュースをあさったけど結局いいモーションにならなかったのもいい思い出ですね。まあ、日銀総裁みたいな見え見えの奴もありますし、普通にPM2.5みたいな大ニュースはやっぱりACやってるといじりたくなりますよね。

 「やっぱPM2.5出したいけど、キツイな。メコン川にしようか。」「多分そんくらい環境被害で人死にかかってたら、うーむ、何します?国連に何か言わせます?」「いやー、意味ないだろ。」「経済制裁ってのもよく分かんないですし、SQやってるかもしれないですしねえ…んでSQ調べるのめんどいですしね…」「もう攻め込むか、うん、攻め込もう。Invadeinvade!よし、それでいこう!得永君、攻め込んで大丈夫なの?」「うーーーーーん、ま、どうせディベートの中だからいけるんじゃないですかね。」「よし、それだ!じゃ、得永君が出来るって言ってたって俺言うから。」「う、そ、それは、それは堪忍してください;;」

 みたいな感じですかね。本当はもうちょっとかかりましたけど、まあこんな感じです。(本当はもっと真面目だったよ!!)ただ、今回のモーション群を見てもらうと露骨なように、ニュースからモーション作るのは結構多いと思います。いかんせん、情勢をよく理解している優秀なAC感も出ますしね、そろそろネタ切れという意見も多いですから。

 あと、さっきみたいに、自分の出したいアイデアに、それに合ったニュースを探してくるという方法も結構多いと思います。例としてはCJSのシステムの例外作りてえー、どういう時ならCJS無視していいかな、うーむ。国がめっちゃ困ってたらええんか。なんかそういう例ないかな、ギリシャだ!イケるっ!みたいな。やっぱりニュースという事実があるとアイデアの実証性というか、裏付けも結構強くなるので、多分多用されている方法なんじゃないかな、とは思います。

    1st principleどうしの対立であるとして、それに公平なバランスになるようにコンディションを付ける。
 もう言及してる気がしますが、これが初めてモーション作る時、ってか最初の最初だとこれからやるのが王道だと思います。例えば、内心の自由侵害してええええ、でも無理に侵害したら絶対勝てないから、侵害せざるを得ないかも、みたいな状況にしたろ。うううむ、そうだ、存在自体がもうウルトラ危険なら仕方ないんじゃね!よっしゃ、テロ組織や!みたいな感じですね。GFの奴です。少なくとも僕はそういうノリで作りましたが、内山さんは別の方法で作ったかもしれません。(被ったのです。ってか多分別アプローチで重なったんだと思います。)

  あと、さっきのメコンに反撃してもいいみたいなそういう権利を認めるみたいな奴で、経済制裁するかUNSCに出てきてもらうかNATOICJか反撃するか…みたいな、そういう何かやりたい時のコンディションの違いでガバオポの有利不利が全然変わってくるので、そのバランスを考えるのは楽しかったですね。

 内山さんの出したRSFの真ん中の、sensationalな自殺報道禁止する奴も、古典である自殺報道のバランスを”sensational”というコンディションで変えるという非常にモーション作りが分かりやすいものになってると思います。

    ④    古典を探してそれをいじる。
 やっぱりでも、なんだかんだ言ってもベースになるのは古典です。そもそもディベート文化の発展によって、古典と呼ばれるモーションの数は、年々、膨大な数増えています。膨大です、マジで。こんなにいっぱいあるから大体基本的な対立軸とかアーギュメントはもう出尽くしちゃってるし、しかもディベーターも全く古典からかけ離れたモーションを出すと、「は?そんなの見たことねえよ!出来る訳ねえよ!今回のACの自己満っぷりやば!無能かよ!」と言われてしまうので、やっぱり古典というか、今まで出たモーションの中で評価されているものをベースにする。そこからアイデアをもらうということは割と必要なのかな、と思います。

 R3の経済危機の時のモーションも、この世の中にprison over capacityというモーションがなかったら怖くて出せませんでしたし、出したい奴でキーワード入れてモーション検索して、古典モーションみたら結構インスピレーションが湧いたので、困った時はバンタバ出しておけばいいのです。(言っておきますがあれは全然ネタ切れではなく、真面目に出した!はずです。予備モーション残ってたし!オリジナルばっかりもなんだから最後に古典出して薄めようとしたのです。)
 
其の参に続く!!

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