ワールド体験記 その4

犬束です。

今回はR4です。

Motion: THW force the religious desegregation of Northern Irish schools.

1位 Closing Opposition PUC-PERU A(ペルー)74点,67点
2位 Closing Government UNI OF TOKYO A(うち)犬束64点,城谷65点
3位 Opening Opposition HKBU C(香港)61点,64点
4位 Opening Government CARNEGIE MELLON B(カタール)61点,61点

ここにきてアイルランドネタですね。リスボン条約などは、何か出る可能性があるかもしれないと思って調べていましたが、北アイルランド問題はすっかり忘れていました。まだまだリサーチ力が足りないですね(T_T)
とりあえずsecularismの観点、子供が平等な教育を受けられる、教師にとっても均等な就業機会を得られる、などをプレパの時点で考えていました。

OGの人たちはすごくもごもごしゃべっていて何か聞きづらかったような覚えがあります。ぼくのノートには彼らの出したargumentのサインポストが
①social aspect
②individual level
③economic growth
だったと書いてあります。①のargumentでは、カトリックとプロテスタントの間のconflictがなくなることでよりsustainableな国家になることと、conflictをなくすために共存するということが大事なんだ、というような話をしていたようです。②のargumentは、自分のノートにはメモしてある形跡が全くありません。あまりポイントの切れ目が分からなくて①とごっちゃになっているのかもしれないです。あと、PMが北朝鮮と韓国の例を出していたのですが、何故このmotionでそんな例が出てくるのだろうか…、とかなり疑問符が付きました。
LOのスピーチもどうもよく分からなくて、どうもrefutationだけしかしてなかった気がするのですが。共存することがconflictをなくすのには無意味であるということと、共存させなくても、歴史上でどのようなことがあったかという知識を与えることで共通の理解が得られるというようなことを言っていたようです。
DPMは③のポイントを説明していたはずですが、ぼくのノートには③としか書いていなくてargumentの内容は書いていないので、何を言っていたのかは思い出せません。たぶん、重要じゃないargumentだと思って聞き流しながら自分が出すextensionを考えていたのだと思います。正直なところ、このmotionのどこからeconomic growthというargumentが出てくるのか自体が大いに疑問です…。
DLOが出したargumentは、生徒は自分にとって適切な学校を選ぶ自由を持つべきだというようなものと、根本的にカトリックとプロテスタントは違うんだから一方の信仰をもう一方に押し付けるべきではないというようなものでした。
ぼくのMGのスピーチでは、まずは現状ではカトリックの生徒はカトリックの学校に、プロテスタントの生徒はプロテスタントの学校に行くことを強制されていて、これがfreedom of choiceだとは到底言えないということと、このプランはカトリックの生徒とプロテスタントの生徒が共存するというだけであって、別にどちらかの生徒に改宗を強要するものではないから相手のポイントが成り立たないと反論しました。また、紛争の歴史についての知識を子供に与えればお互いの間で共通の理解が得られるとOppは言っていたが、宗教というのは信者の日常生活に染みついたものであるから、知識を与えるだけでは何の解決にもならない、ともに学校で生活することによってお互いの日常の暮らしや思想を理解し合うことができ、偏見をなくすことができるという点も反論しました。extensionはsecularismについてで、教育というのは政府が国民に提供するサービスの一つであるからには、信教の自由を謡っているliberal democratic countriesは、宗教差別を見過ごすような、国民の信教の自由を侵しかねないことを教育においてしてはならないということを説明しました。また、子供が信じている宗教が違うというだけで平等な教育を受けることができなくなっているということと、現在では学校が別れているために、教師も自分が信じている方の宗教だけが正しいというような歪曲した考え方を子どもに植えつけることができてしまうということも説明しました。
COのextensionは、宗教差別を解決するには、強制するとbacklashが起こるから状況は余計に悪くなるので、natural processに従うのが一番良いというかんじのものでした。
whipはあまりメモしていないので省略します。

ChairはElizabeth Amesという方でした。General Commentでまず言っていたのは、誰もこのmotionのcontextが分かっておらず、そのために、現状分析ができていないということでした。例えばGovは、今でもある程度両者の間の平和は保たれているが、今はnext stepを踏み出す時だ、などという言い方をするべきだと言っていました。また、例も少ないのでアメリカなどの例を持ち出すべきと言っていました。あと、全体的にPOIが少ないと指摘されました。OGの場合は逆にPOIに立ちすぎということと、POIが長くて明確でないので、効果が小さくなっていると言っていました。POIはプレパの時にある程度考え、紙に書いて短く明確に、とアドバイスされました。全体として、realityとpractical analysis of role of government and educationがOpening halfよりもClosing halfにあったと指摘していました。
COはwhip speechは良かったが、親と学校の間で起こる対立なども指摘できればよかったと言っていました。CGはPOIのofferとresponseに問題があったが、extensionはよかったと言われました。OOはrebuttalに時間を使いすぎ、OGはどのargumentも明確でなく、またeconomic growthのargumentなどはラウンドが終わるころには空気になっていたとの指摘がありました。

このラウンドはあまりよろしくないラウンドでしたね…。やはりリサーチは重要です。かといって、知識がないから諦めるというのもダメですけれども。知識がなくても何とかprincipleなどで押していって、多くPOIをofferするなど最善を尽くさなければいけません。

次回はR5です。

コメント

匿名 さんのコメント…
そうね、このモーションは、「隔離政策」をテーマにしているという点では、むしろ南アフリカのアパルトヘイトが参考になるのよね。

歴史的にいがみ合ってきた二つのグループを一緒にするという崇高な目的はいいのだけれど、はたして目的通り、両者の和解と交流につながるか。かえって憎しみを煽るだけではないのか。

現実的に、両親たちが子供をその学校に入れるのを嫌がって、私立に流れないか。そうしたら、公立学校の質は保てるのか。

いろいろ問題をはらんでいて、興味深いモーションです。深めようと思えば、いくらでも深くやれるので、ディベーターの力量が試されるモーションだね。
Atsushi さんの投稿…
ヤングマンさん、いつもコメントありがとうございます。

ふ~む、なるほど、アパルトヘイトか…、全く思いつきませんでした。高校の世界史の時に身に付けた知識などをこういう時にうまくひっぱり出してきて有効活用できたらよかったのですけれども…。

両親たちがその学校に入れたがらなくなる、というところまでは考えていましたが、その結果どうなるのか、までは考えが及んでいませんでした。確かに、私立に流れて公立学校の質が落ちるというのも十分うなずける話ですね。まだまだ思考力が足りないなぁ…。

やはり世界大会は、ディベーターの腕を試す深いモーションが多いですね。次に行く時はもっと良いディベートができるように、これから地力をつけていきたいです。